簡易無線・新簡易無線

ビジネス現場の標準といえる業務用無線です。

その名のとおり、簡単に、誰でも使える業務用無線です。誰でも、と言いましたが、そこにある簡易無線を、そのまま手に取って使うわけにはいきません。簡易(新簡易)無線を使用するには、「許可」が必要になります。無線局開設の免許申請が必要となりますが、使用者個人の資格や免許は必要ありません。つまり、会社(団体)として簡易無線を使います、という届を総務省管轄の各地の総合通信局に提出いたします。総合通信局では、提出された届に認可印を押して「免許状」というカタチで申請者に戻します。必要な手続きは、これだけです。「免許状」を得た会社(団体)に所属する人であれば、誰でも簡易(新簡易)無線を使うことができます。

簡易(新簡易)無線 申請の流れ

お客さま 委任状を用意していただきます。
これは、免許申請に関する業務を、代行業者(スタンダードまたは販売店)に委任することになります。(お客さま自身で申請することも可能です)
スタンダード
(販売店)
申請書類を作成し、各地の(社)陸上無線協会に提出する。

陸上無線協会は、簡易(新簡易)無線の申請窓口になります。
おおむね、1〜1.5ヶ月程度で免許状が交付(使用が許可)されます。
免許状に添付される、「無線局免許証票」(シール)を無線機に貼れば、使用することができます。

簡易・新簡易無線の特長

基本的には、話をするときにトークボタン(PTTといいます)を押しながら話します。PTTを押していないときは、受信または待ち受けの状態です。
糸電話のように、話すときに口元へ、聞くときは耳元へ、というのがトランシーバーの基本です。
では、簡易無線と新簡易無線はどう違うのでしょうか。

  出力 チャンネル数 交信可能な距離
簡易無線 1〜5W VHF(154MHz)帯/9ch UHF(465/468MHz)帯 35ch 市街地 1km〜3km
(ハンディタイプ) 
市街地 5km〜10km
(車載タイプ)
新簡易無線 1W 音声18ch/データ伝送用2ch 市街地 約1km
(車載タイプはありません)

注)交信可能な距離は、あくまで目安です。障害物、地理的な状況によって異なります。

車載型の場合は、ハンディ機に比べてアンテナの条件が有利なので、広い交信範囲が確保できます。ビル内通信や広域通信を必要とされる方には、指令用の無線機(車載型)をしっかりしたアンテナで設置し、移動するハンディ機と通信する例が増えてきています。
なお新簡易無線には車載型無線機はなく、ハンディ機だけになります。


簡易無線・新簡易無線の導入事例
特定小電力無線と違い、高出力で通信距離がかせげることがメリットの簡易無線。
どのような業種で利用されることが多いのでしょうか。


警備業
施設内の警備などで多く使われています。施設の巡回、駐車場の管理などには、無くてはならないアイテムです。エマージェンシー機能などで、緊急報知もできます。

ゴルフ場
キャディさん同士の前後の合図に、そしてマスター室から落雷などから避難誘導。また、一度コースに出てしまったグリーンキーパーさんとの連絡などにも。個別呼び出し機能などを活用されています。

ホテル
ポーターさんとフロントの連絡に。タクシーの手配や、団体さんのバスの到着をいち早く連絡し、スムーズこなします。サービス業ですから、お客さまをお待たせしないために簡易無線は活躍します。

スポーツクラブ、幼稚園などの送迎バス
クラブや幼稚園を中心に半径5kmくらいがバスの送迎範囲となっている場合がほとんどです。渋滞などで到着時刻が遅れる連絡、欠席の知らせをすぐに運転手さんに。時間とおりに運行するため、乗客の安全のために、今日も簡易無線が役立っています。

町内会の行事など
いつも使うわけではないけど、行事のときの連絡にはかかせません。お祭り、神輿などの人出が多いときには、各地点での連絡に。消防団や自警団の連絡手段、廃品回収や子供会での保護者間連絡など、用途はさまざまです。